恵方とは|方角の決め方(十干)と歳徳神、恵方巻きの食べ方と由来
節分の恵方巻きでおなじみの「恵方」。毎年方角が変わりますが、実はたった4種類の方角しかなく、 一定の規則で決まっています。本記事では、恵方と歳徳神、方角の決まり方、恵方巻きの由来と食べ方の作法をわかりやすく解説します。 今年や来年の恵方は、恵方の方角を調べるツールで年ごとに確認できます。
恵方とは
恵方(えほう)とは、その年の福徳をつかさどるとされる「歳徳神(としとくじん)」がいる方角のことです。 「吉方」「明きの方」とも呼ばれ、この方角に向かって物事を行うと縁起が良いとされます。節分の恵方巻きを食べる方向としてよく知られています。
歳徳神(としとくじん)とは
歳徳神は、陰陽道で、その年の福徳をつかさどるとされる神さまです。「年徳」「歳神」「正月さま」などとも呼ばれ、暦の絵では、美しい女神の姿で描かれることが多くあります。 陰陽道の書物『簠簋内伝(ほきないでん)』では、牛頭天王(ごずてんのう)の妃・頗梨采女(はりさいじょ)とされていますが、由来には諸説あります。 お正月に家に迎える「年神さま」と同じものと考えられることもあり、歳徳神のいる方角に向かって年の初めの行いをすると縁起が良い、とされてきました。
恵方は4種類しかない
恵方は毎年変わりますが、実際に存在するのは次の4方角だけです。
| 方角 | 該当する年の十干 |
|---|---|
| 東北東 | 甲(きのえ)・己(つちのと)の年 |
| 西南西 | 乙(きのと)・庚(かのえ)の年 |
| 南南東 | 丙(ひのえ)・辛(かのと)・戊(つちのえ)・癸(みずのと)の年 |
| 北北西 | 丁(ひのと)・壬(みずのえ)の年 |
「南南東」に該当する十干が4つあるのに対し、他の方角は2つずつしかないため、 10年のうち4年は南南東になる計算です。「今年もまた南南東だった」と感じるのはこのためです。
なぜ4方角しかないのか
昔の方位は、360度を24に分けた「二十四方位」で表しました。二十四方位には、十二支のほかに、十干のうち甲・乙・丙・丁・庚・辛・壬・癸の8つが方角として割り当てられています(戊・己は、中央の「土」にあたるとされ、方角を持ちません)。
恵方になるのは、このうち甲・庚・丙・壬の4つの方角です。それぞれ十六方位にあてはめると、甲が東北東、庚が西南西、丙が南南東、壬が北北西になります(正確には、それぞれの方角よりやや東・西・南・北寄り)。 10ある十干の年を、この4つの方角に振り分けるため、恵方は4種類しかありません。
振り分け方は、十干どうしの組み合わせ(干合:甲と己、乙と庚、丙と辛、丁と壬、戊と癸)で説明されることがあります。組になる年は同じ方角になり、戊と癸の年は南南東(丙の方角)になる、という説明です。
年の十干(じっかん)とは
十干は、干支の「干」にあたる部分で、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の10種類が 10年周期で繰り返されます。西暦年を10で割った余りによって、どの十干にあたるかが決まります。
実際に西暦年を入力して、その年の恵方を確認してみましょう。
西暦年を入力して、その年の恵方を確認
年の十干(じっかん)をもとに方角を判定します。
恵方巻きの由来
節分に太巻きを食べる風習は、大阪で始まったものです。江戸時代の末ごろに、大阪・船場の商人が商売繁盛などを願って始めたという説が主流とされ、のちに大阪の鮨屋の組合や海苔問屋の組合も広めたと言われています。
全国に広まったのは、コンビニエンスストアの販売がきっかけです。
| 年 | できごと |
|---|---|
| 1983年 | ファミリーマートが大阪府・兵庫県で販売(同社広報による) |
| 1989年 | セブン-イレブンが、関西の風習をもとに広島県の一部の店舗で「恵方巻」を販売 |
| 1998年 | セブン-イレブンが全国の店舗で販売 |
| 2001年・2003年 | ローソン(2001年)、ファミリーマート(2003年)も全国で発売 |
セブン-イレブンで最初の販売を手がけた担当者によると、きっかけは担当していた加盟店のオーナーが関西出身だったことだそうです。 「恵方巻」という名前も、コンビニの販売とともに全国に知られるようになりました。
恵方巻きの食べ方の作法と、その理由
| 作法 | よく言われる理由 |
|---|---|
| その年の恵方を向いて食べる | 福徳の神・歳徳神のいる方角に向かうと縁起が良いとされるため |
| 1本を切らずに丸ごと食べる | 包丁で切ると「縁が切れる」とされるため |
| 食べ終わるまでしゃべらない | 話すと福が逃げるとされるため。願い事を思い浮かべながら食べるとよいとも言われる |
これらの作法は、地域や家庭によって違いがあります。小さな子どもや高齢の方は、のどにつまらせないよう、細巻きや切ったものを食べるなど、無理のない形で楽しみましょう。
まとめ
恵方は、その年の福徳の神・歳徳神のいる方角で、年の十干によって東北東・西南西・南南東・北北西の4パターンのいずれかに決まります。 恵方巻きは大阪の風習が、コンビニの販売をきっかけに全国へ広まったものです。年ごとの恵方は、ツールで確認できます。