嘘を見抜く方法は本当にある?右上を見るしぐさの俗説と研究で分かっていること
「嘘をつくと右上を見る」「嘘をつくと目をそらす」など、嘘を見抜く方法は さまざまな形で語られています。しかし、これらの多くは研究では はっきり裏付けられていないとされています。本記事では、広まっている 説と、研究で言われていることを整理します。
「右上を見ると嘘」という説とは
人が目線を動かす方向によって、思い出しているのか、想像しているのかが 分かるという説があります。たとえば「左上を見るのは記憶を思い出しているとき、 右上を見るのは想像しているとき(嘘をつくとき)」といった内容で、 心理テクニックとして紹介されることがあります。
しかし、この説を実際に実験で確かめた研究では、視線の向きと 嘘の有無に関係は見られなかったと報告されています。視線の向きで 嘘を判断するのは、根拠が弱い方法だと考えられています。
目をそらす、口元を触るなども決め手にならない
嘘をつくときに出ると言われるしぐさには、次のようなものがあります。
- 視線をそらす、または不自然に見つめ続ける
- 口元や鼻を触る
- 落ち着きがなくなる
しかし、これらは緊張しているとき、考え込んでいるとき、恥ずかしいときなど、 嘘をついていない場面でも出るしぐさです。嘘をつく人に特有の 「決定的なしぐさ」があるわけではない、と言われています。
人は嘘を見抜くのが得意ではない
嘘を見抜く正確さについての研究では、一般の人が嘘か本当かを見分けられる 確率は、偶然に近い(半分より少し高い程度)とする結果が知られています。 「自分は見抜ける」と思い込むほど、かえって誤って決めつけてしまう おそれがあります。
しぐさより手がかりになると言われること
しぐさよりも、話の内容のほうが手がかりになるとする見方があります。
- 話の内容に矛盾がないか、細かい点を聞かれても一貫しているか
- 聞かれていないことを、必要以上に話していないか
- ふだんの話し方や様子と比べて、変化があるか
- 事実を実際に確認できるか
それでも確実とは言えません。しぐさの全体的な見方は 行動心理学のしぐさ一覧 、好意や嘘のサインの見方は 好意のしぐさと嘘をつく時の仕草 で解説しています。
嘘だと決めつけるときの注意
「嘘をついている」と決めつけて相手を問いつめると、人間関係を こじらせるおそれがあります。とくに、体調や心の不調など、目に見えない つらさを訴える人を「嘘」と疑うことは、相手を深く傷つけることがあります。 しぐさだけで判断せず、状況を確認し、相手の話を丁寧に聞くことが大切です。
※ しぐさと嘘の関係は、個人差や状況によって異なります。本記事の内容は 一般的に言われている情報であり、相手の言動を断定するものではありません。
よくある質問
右上を見るのは嘘をついているサインですか?
「右上を見ると想像や嘘、左上を見ると記憶」という説が広まっていますが、検証した研究では裏付けられなかったとされています。視線の向きだけで嘘だと判断はできません。
嘘をつくと目をそらしますか?
嘘をつくと目をそらす、と一般には思われていますが、緊張や考え込んでいるときにも目をそらすため、目をそらしたことだけで嘘とは言えません。
嘘を見抜く方法はありますか?
しぐさだけで確実に見抜く方法は難しいとされています。話の内容の矛盾や、ふだんの様子との違い、事実の確認など、複数の手がかりを合わせて考えるのが基本です。
まとめ
「右上を見ると嘘」などの視線やしぐさの説は、研究では裏付けられていないと されています。嘘を見抜くには、しぐさだけでなく、話の内容やふだんとの違い、 事実の確認を合わせて考えることが大切です。しぐさの意味を調べたいときは、 しぐさ心理辞典 をご活用ください。