年収の平均と中央値の違い|平均年収が高く見える理由と、月給の中位数から分かること
「平均年収」のニュースを見て、「自分の周りはそんなにもらっていない」と感じたことはありませんか。 それは、平均という数字のしくみによるものです。本記事では、平均と中央値の違いと、統計に出てくる平均年収の読み方を解説します。
平均と中央値の違い
- 平均:全員の金額を足して、人数で割った値です。
- 中央値:金額の低い人から高い人へ順に並べたとき、ちょうど真ん中の人の値です。
たとえば、5人の年収が300万円・350万円・400万円・450万円・1,500万円だったとします。 平均は600万円ですが、中央値は真ん中の3人目の400万円です。5人のうち4人は平均より少ないのに、1人の高い年収に引っ張られて、平均だけが高くなっています。
平均年収が実感より高く見える理由
賃金は、多くの人が中くらいより少し下に集まり、一部の人が非常に高い、という右に長くすそを引いた形に分布しています。 このような分布では、平均は高い人に引っ張られて、中央値より高くなります。そのため、平均年収より少ない人のほうが多いのがふつうです。 「平均」と聞いて真ん中くらいをイメージすると、実感とのずれが生まれます。
統計からわかる「月給の中位数」
厚生労働省の賃金構造基本統計調査では、年収の中央値は公表されていません。 公表されているのは、残業代と賞与を除いた月給(所定内給与額)の分布で、真ん中の人の値(中位数)と、下から10%目・90%目の人の値(第1十分位数・第9十分位数)などがわかります。
男女計で見ると、月給の中位数は29.7万円で、平均(所定内給与額)の34.1万円より低くなっています。 月給で見ても、平均は真ん中の人より高く出ることがわかります。
十分位数で見る月給の目安
| 位置 | 月給(所定内給与額) | 意味 |
|---|---|---|
| 第1十分位数 | 20.0万円 | これより低い人が全体の10% |
| 第1四分位数 | 23.8万円 | これより低い人が全体の25% |
| 中位数 | 29.7万円 | ちょうど真ん中 |
| 第3四分位数 | 39.0万円 | これより高い人が全体の25% |
| 第9十分位数 | 52.7万円 | これより高い人が全体の10% |
自分の位置を知りたいときは、給与明細の残業代を除いた月給(基本給と毎月決まって出る手当の合計)を、この表と比べてみましょう。 ここでの数字は、年収ではなく月給の分布である点に注意してください。 男性・女性それぞれの分布は、男女別の平均年収で確認できます。
平均年収の数字を読むときの注意点
- 誰の平均かを確かめる:当サイトの年収データは、パートなどの短時間労働者を除いた一般労働者の平均です。パートを含む統計より高めに出ます。
- 年齢の違いを考える:平均年齢が高い職種ほど、平均年収も高く出やすくなります。職種ページの平均年齢もあわせて見ましょう。
- 人数の少ない区分はぶれやすい:働いている人が少ない職種や都道府県の数字は、年によって大きく上下することがあります。
- 中央値は平均より低いと考える:平均年収は、真ん中の人の年収より高めの数字だと考えて読むと、実感とのずれが小さくなります。
全国の一般労働者の平均年収は545.6万円です。 職種や年代ごとの平均年収は、年収データや年齢別の平均年収で確認できます。 平均年収がどのように計算されているかは 賃金構造基本統計調査とは 、自分の年収の出し方は 年収の計算方法 で解説しています。
※ 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2025年。一般労働者(短時間労働者を除く)・民営事業所・企業規模10人以上)。
よくある質問
平均年収と中央値はどちらが実感に近い?
一般に中央値のほうが実感に近いと言われます。平均は一部の高い人に引っ張られて高めに出るため、平均年収より少ない人のほうが多くなります。
賃金構造基本統計調査で年収の中央値はわかる?
年収の中央値は公表されていません。公表されているのは、残業代と賞与を除いた月給(所定内給与額)の中位数や十分位数です。月給で見ても、中位数は平均より低くなっています。
中位数・十分位数とは?
賃金の低い人から高い人へ順に並べたとき、ちょうど真ん中の人の値が中位数(中央値)です。下から10%目の人の値が第1十分位数、90%目の人の値が第9十分位数です。
まとめ
平均は一部の高い人に引っ張られるため、中央値より高くなり、平均年収より少ない人のほうが多くなります。 賃金構造基本統計調査では、月給(所定内給与額)の中位数や十分位数で、真ん中の人の水準を確かめられます。