年収の計算方法|月給×12+賞与の出し方と、源泉徴収票で見る場所
転職の面接やローンの申し込み、平均との比較など、「自分の年収はいくら?」と聞かれる場面は意外と多いものです。 本記事では、税金などを引く前の額面の年収の出し方を、計算式・含めるもの・源泉徴収票の見方に分けて解説します。
年収とは:額面で1年間にもらった給与の合計
年収は、1年間(1月〜12月)に会社から支払われた給与と賞与の合計で、所得税・住民税・社会保険料を引く前の金額(額面)を指します。 給与明細でいえば、差し引く前の「総支給額」を1年分足したものです。 実際に口座に振り込まれる「手取り」とは別のものなので、比べるときはどちらの金額かをそろえることが大切です。
年収の基本の計算式
年収 = 月給(総支給額)× 12 + 賞与(1年分)
たとえば、月給(総支給額)が28万円、賞与が「基本給の2か月分」で基本給が22万円なら、次のようになります。
- 月給の1年分:28万円 × 12 = 336万円
- 賞与:22万円 × 2か月分 = 44万円
- 年収:336万円 + 44万円 = 380万円
賞与が「◯か月分」と決まっている会社では、多くの場合、総支給額ではなく基本給をもとに計算されます。 手当や残業代を含めた月給で掛けると、年収を多く見積もってしまうので注意しましょう。
年収に含めるもの・含めないもの
| 項目 | 年収に含めるか | ポイント |
|---|---|---|
| 基本給 | 含める | 年収のいちばん大きな部分 |
| 残業代・深夜手当・休日出勤手当 | 含める | 月によって違うので、1年分の実績か数か月の平均で計算する |
| 役職手当・家族手当・住宅手当など | 含める | 毎月決まって支給される手当は給与の一部 |
| 賞与(ボーナス) | 含める | 夏・冬など、1年間に支給された分をすべて足す |
| 通勤手当 | 扱いが分かれる | 源泉徴収票の「支払金額」には非課税分は入らない。求人票の年収は会社による |
| 出張旅費・経費の精算 | 含めない | 立て替えたお金が戻ってくるだけで、給与ではない |
| 退職金 | 含めない | 税金の上でも、給与とは別の「退職所得」になる |
| 副業の収入 | 含めない(別に数える) | 会社からの給与の年収とは分けて考える |
月収から年収を出すときの注意
- ボーナスがない場合:月給(総支給額)×12で計算します。
- 残業代が月によって違う場合:繁忙期だけ、閑散期だけの月で掛けると大きくずれます。3〜6か月分の平均を使うと実際に近くなります。
- 年の途中で入社・転職した場合:その年の年収は、実際に働いた月の分だけになります。転職の面接などで聞かれる「年収」は、1年間働いた場合に換算した金額を伝えるのが一般的です。
- 昇給があった場合:昇給した月からの給与で計算し直します。
源泉徴収票のどこを見ればいい?
会社員なら、毎年年末から1月ごろに受け取る源泉徴収票を見るのがいちばん確実です。
| 欄 | 意味 |
|---|---|
| 支払金額 | 額面の年収。その年の1月〜12月に支払われた給与・賞与の合計(非課税の通勤手当などを除く) |
| 給与所得控除後の金額 | 税金を計算するための「所得」。年収そのものではない |
| 所得控除の額の合計額 | 社会保険料控除や扶養控除などの合計 |
| 源泉徴収税額 | その年に納めた所得税 |
源泉徴収票は、給与を実際に受け取った日で1年を区切ります。 12月分の給与が翌年1月に支払われる会社では、その分は翌年の源泉徴収票に入るため、自分で計算した金額と少しずれることがあります。 ローンの審査や収入の証明で「年収」を求められたときも、ふつうはこの支払金額を使います。
手取りとの違い
手取りは、額面の年収から次のものを引いた金額です。
- 社会保険料(健康保険・厚生年金保険・雇用保険など)
- 所得税
- 住民税
手取りは、一般に額面の75〜85%ほどと言われます。年収が高いほど税金の割合が上がるため、手取りの割合は小さくなります。 家族の扶養や住んでいる自治体によっても変わるので、正確な手取りは給与明細で確認しましょう。
出した年収を平均と比べる
年収が出せたら、同じ職種や年代の平均と比べてみましょう。 統計で使われる平均年収も、ここで説明した額面の年収です(「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与」で計算)。 参考までに、全国の一般労働者の平均年収は545.6万円です。
※ 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2025年。一般労働者(短時間労働者を除く)・民営事業所・企業規模10人以上)。統計の平均年収は、パートなどの短時間労働者を含みません。数字の読み方は 年収の平均と中央値の違い で解説しています。
よくある質問
年収は手取りと額面のどちらで言うもの?
一般に「年収」は、税金や社会保険料を引く前の額面の金額を指します。求人票やローンの審査、統計の平均年収も額面です。実際に振り込まれる金額は「手取り」と呼んで区別します。
ボーナスがない場合の年収の計算は?
月給(総支給額)×12で計算します。残業代が月によって違う場合は、数か月分の平均を使うと実際に近くなります。決算賞与や寸志など、不定期に出たものがあれば足します。
通勤手当は年収に含まれる?
源泉徴収票の「支払金額」には、非課税の範囲の通勤手当は含まれません。一方、給与明細の総支給額には通勤手当が入っているため、月給×12で計算するとその分だけ多くなります。求人票などの「年収」に含めるかどうかは、会社によって扱いが違います。
まとめ
年収(額面)は「月給×12+賞与」で計算でき、会社員なら源泉徴収票の「支払金額」で確かめられます。 出した年収が平均と比べてどのくらいかは、職種・年代・学歴別の平均年収で確認できます。